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vol.07

その七  妙心寺・東林院の「小豆粥の会」
 1月15日の小正月には小豆粥をいただく習慣があるそうです。
一年の邪気を祓い万病を除くとして平安時代から伝えられてきました。
今でも、各神社では神前に小豆粥を供えたり、禅寺では精進料理として伝えられていますが、
今回は一般の方でもお粥が頂ける妙心寺塔頭・東林院の「小豆粥の会」に行ってきました。

妙心寺の広い境内には多くの塔頭があります。  東林院の門。境内の東端にあります。
 東林院は享禄4年(1531)細川氏綱が父、高国公の菩提を弔うため建立した三友院に始まり
開基、山名豊国が東林院と寺号を改めて妙心寺に移し、妙心寺51世直指和尚を開山として、
以来山名家の菩提寺となっています。沙羅双樹の庭園や枯山水の庭園に梵燈を灯す行事などで
近年注目を浴びている観光名所でもあります。

さりげなく案内の札が立つ。
前庭にある小さな仏さま。 こちらより本堂に上がります。
 本堂に上がり引き換え券を購入しますと、庭に面した日当たりの良い部屋に案内していただきました。
そこで出していただいたのは福茶(梅湯)と祝菓子の数々。
梅湯は口中を清め心身の邪気を祓うとともに健康にも良いとされ、
また御蒸菓子「松の雪」、御干菓子「結び笹」をはじめ、昆布や干し柿、蜜柑なども
それぞれ縁起の良い祝菓子とされているものです。

本堂からは庭が望めます。 福茶と祝い菓子。
 
 福茶と祝い菓子をいただきますと、今度は枯山水の庭が見える宿坊のお部屋に移ります。
そこで小豆粥の膳をいただきます。
食べる前に「さばの儀式」があります。
これは自分の受けた食の中から少量のさば(生飯・施食)を分かち庭の木々などに供え、
小鳥や小動物に施すもので、「さば器」に粥の米粒7つ程を分かち、
後にご住職が庭にお供えしていただく仕組みになっています。

小豆粥のお膳。かなり食べ応えがあります。
「さば器」にのせられた米粒。
禅寺では、食事の前に、般若心経と食事五観文をよむそうです。

「食事五観文」

一つには、功の多少を計り、彼の来処を量る。
(この食物が食膳に運ばれるまでに、幾多の人々の労力と神仏の加護によることを思って感謝致します。)

二つには、己が徳行の全欠をはかって供に応ず。
(私共の徳行の足らざるに、この食物を頂くことを過分に思います。)

三つには、心を防ぎ、過(とが)貪(とん)等を離るるを宗とす。
(この食物にむかって、貪る(むさぼる)心、厭う心を起こしません。)

四つには、正に良薬を事とするは形枯(ぎょうこ)を療ぜんが為なり。
(この食物は、天地の生命を宿す良薬と心得て頂きます。)

五つには、道業を成せんが為に、将にこの食(じき)をうくべし。
(この食物は人として正しく生きることを成就するが為に頂くことを誓います。)

宿坊の一角。 「さば」はこのように庭に供えられます。
当日は京都でも小雪が舞う寒い一日でした。
しかし暖かい粥を頂き、しばし静かな空間に佇んでいるとなんとも心が落ち着いてきます。
皆さんも機会があればいかがでしょうか。

冬日が差し込む本堂。 千両が赤い実をつけていました。
〔小豆粥の会〕は1月31日まで(午前11時〜午後3時)
妙心寺内東林院にて(JR嵯峨野線花園駅下車北へ徒歩5分)
料金 3,500円(消費税別)
お問合せ TEL. 075−463−1334

(御蒸菓子「松の雪」、御干菓子「結び笹」は鼓月がおつくりしております。)
(2004年1月)

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