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vol.10

その十  松尾大社訪問記
 
 京、洛西の山懐に鎮座する松尾大社。
山吹の花が咲き乱れ、新緑がまぶしい初夏の日に訪れました。
 松尾大社は太古の昔、この地方一帯に住んでいた住民が、松尾山の神霊を祀って生活守護神としたのが起源といわれます。五世紀の頃朝鮮から渡来した秦氏がこの地に移住し、田畑を開拓し河川を収めて農産林業を興しましたが、同時に松尾の神を氏族の総氏神と仰ぎ、文武天皇の大宝元年(701)には現在の地に社殿が造営されたと伝えられています。
松尾橋を渡ると、大きな朱塗りの鳥居が迎えてくれます。 表参道を進むと立派な楼門があります。江戸時代初期に建てられたものだそうです。
楼門の左右には随神が置かれ、まわりの金網には願い事が書かれた杓子が挿してありました。 境内は新緑の緑で包まれていました。正面に見えるのは拝殿です。
境内を流れる一の井川の脇には溢れんばかりに咲き誇るヤマブキの群落があります。 飾りだと思われますが水車が長閑な風情を醸し出しています。
境内のそこかしこにヤマブキが咲いていて、カメラを構える人も大勢いました。
境内の中央にある拝殿 お酒の神様ということで、酒樽がずらっと並べられています。
重要文化財に指定されている本殿。現在のものは室町初期の応永四年(1397)の建造にかかり、天文十一年(1542)に大修理を施したものだそうです。 背景の松尾山には原生林が残されているそうで、緑に包まれた神殿はなにか神々しい感じすらします。
松風苑と称する三つの庭の一つ「曲水の庭」。重森山玲という庭園学の第一人者が平安時代のイメージで造ったものだそうです。 こちらは「上古の庭」。神霊の宿る巨大な岩石「磐座(いわくら)」を模して造られました。
庭を廻る途中にシロヤマブキが咲いていました。 この上のほう、松尾山の頂上近くに「磐座(いわくら)」と呼ばれる巨大な岩石があって、それが元々社殿祭祀以前に松尾の神を祭っていたところだそうです。
松尾山から流れる御手洗川が涸れる事のない「霊亀の滝」となって流れ落ちています。お社は「滝御前社」というそうです。 山すその道端にも山吹の花が
霊亀の滝の近くにある「亀の井」。酒造りの元水として造り水に入れると旨い酒が出来るそうです。また、延命長寿・よみがえりの水とも云われ、水を汲みに来る人の絶えることがありません。 松風苑の一つ、「蓬莱の庭」。昔、中国の人が東海上に浮かぶ不老不死の島と考えていた「蓬莱の島」をイメージして造られたものだそうです。
毎年四月下旬には神幸祭が行われます。古くは「松尾の国祭り」とも云われ、六基の神輿が氏子の地域を練り歩きます。写真は神輿が境内から出発するところ。 途中、桂川にさしかかると神輿は船に載せられ船渡御が行われます。
 
松尾大社とその由緒・行事などについてはオフィシャルサイトをご覧下さい。

→ http://www1.neweb.ne.jp/wa/matsuo/
(2004年5月)

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