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vol.32

その三十二  新緑がまぶしい無鄰菴(むりんあん)を訪ねました。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                            
 日に日に日差しが強くなり、木々の緑も次第に濃くなってきました。
そんな初夏の晴れ間に、京都・東山にある無鄰菴(むりんあん)を訪ねました。

 無鄰菴は、明治・大正に活躍した元老・山県有朋が明治29年に造園した別荘です。
その名は、かって有朋が長州に建てた草庵が、隣家のない閑静な場所にあったことから付けられたといわれています。

 その大半を占める庭園は、有朋自らの設計・監督により、造園家・小川治兵衛が作庭したもので、ゆるやかな傾斜地に東山を背景とし、琵琶湖疎水の水を取り入れ、三段の滝・池・芝生を配した池泉廻遊式庭園となっています。

 建物は、簡素な木造2階建ての母屋、藪の内流燕庵(えんなん)を模してつくられた茶室、そして煉瓦造り2階建ての洋館の3つがあります。洋館は明治31年の建立ですが、その2階には、江戸時代初期の狩野派による金碧花鳥図障壁画で飾られた部屋があり、ここで明治36年4月21日に、元老・山県有朋、政友会総裁・伊藤博文、総理大臣・桂太郎、外務大臣・小村寿太郎の4人によって、日露開戦直前の外交方針を決める、いわゆる「無鄰菴会議」が開かれました。

 今日でも、この部屋には、花鳥文様の格天井・椅子・テーブルなどの家具が残り、当時の趣を今に伝えています。



※写真をクリックすると大きいサイズでご覧頂けます。
門前の佇まい。
仁王門通から南に入ってすぐのところにあります。
入り口近くの立派な灯籠
庭園への入り口はちょっと低めになっています。 洋館の外観。右は母屋です。
無鄰菴会議が行われた洋館の2階。立派な障壁画が四方を取り囲んでいます。
この椅子に座って外交の案件を話し合ったのでしょう。
当時のままに家具が残されています。
金の花鳥文様の装飾が美しい格天井。 洋館内の階段
母屋の様子。ここから庭園が見渡せます。

母屋の内部。申し込むとお抹茶とお菓子を戴く事ができます。(入園料とは別途料金が必要です)
母屋の中に掛けられた額。 母屋の中の坪庭の笹に初夏の陽射しが差し込んでいました。
母屋から眺めた庭園の全景
庭園の中を疎水を取り入れた水がゆるやかに流れていきます。
楓の新緑が眩しいばかりに陽射しに映えていました。 庭園全体に様々な趣向が凝らされています。
こちらは母屋の反対側からの眺めです。 茶室。侘び・寂びを感じさせる簡素な佇まいです。
やわらかい新緑が初夏の光を浴びて眩しくほどです。
浅い緑色が陽射しが透けて、輝いてるように見えます。
きれいに出揃った楓の若葉。
初夏の風に柔らかな若葉がそよぎます。
 有朋は、この別荘の庭園をこよなく愛し、多忙な公的生活の少しの合間にも夫人を伴ってしばしば訪れました。

 有朋は、大正11年に83歳で亡くなり、その後、無鄰菴は昭和16年に京都市に寄贈され、同26年には庭園が明治時代の名園として、国の名勝に指定されています。
*アクセス:市バス「法勝寺町」又は「神宮道」・地下鉄蹴上駅より徒歩約10分
*開園時間:午前9時〜午後4時30分
*休園日:12月29日〜1月3日
*入園料:350円
(2006年4月)

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